【読書メモ】あなたは自分を利口だと思いますか?
なんとも挑戦的なタイトルの本なんだろう。
オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の入試問題 あなたは自分を利口だと思いますか?
- 作者: ジョンファーンドン,小田島恒志,小田島則子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/12/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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オックスフォードやケンブリッジの入試では、標題のような問題が出るらしい。
他の問題をいくつか挙げると、
・蟻を落とすとどうなりますか?
・ 棒高跳びの世界記録はなぜ六・五メートル程度で、なぜ破られないのですか?
・過去に戻れるとしたらいつにしますか、またそれはなぜですか?
などなど。全部で60題の問いとそれに対する回答例が載っている。
冒頭の問題の回答は、
「いいえ。利口ではありません 」なら当然不合格だ。
なぜなら、ケンブリッジやオックスフォードは利口な人しか入学できないことになっているから。
では、「はい。利口です。」ならどうか。
これも不合格だ。
なぜなら、本当に利口な人はそのような回答をしないから。
本当に利口な人は己の至らない部分を理解している人のことをいうからだそうだ。
購読しているお気に入りのブログに、quipped(http://j.ktamura.com/)というブログがある。
先日、慶応幼稚舎の入試問題についての記事がアップされていたが、これを読んで標題の本のことが頭に浮かんだ。
本当に賢いということはどういうことなのかと考えさせられたからだ。
わたしも、 そのブログの筆者のいうように最初は真面目に解こうかと思った。
幼稚園に入ろうとする年頃の子供が、こんな入社試験みたいな問題を解くことにどれだけの意味があるんだろうと、そのことに驚きながら。
quippedの筆者は、前提を疑わない発想そのものが問題だと言っていた。
入試問題の想定する答えは通常一つだ。
しかし、現実世界の問題の答えは必ずしも一つではないし、どれがベストなのか、そのときには分からないことも多いだろう。
冒頭の問題で、筆者のファードン氏が完璧とする回答は次のとおり。
「 私はあまりにも利口だから、時として自分が何を言っているのかひと言も理解できなくなる」
突拍子もない問に対して、瞬時に聞くものをうならせるようなウィットに富んだ受け答えができるだけの知恵があったらなぁと、つくづく思う。