「ごちそうさん」 気持ちいい食いっぷりと、そうでない食いっぷり
食いっぷりのいい人というのは見ていて気持ちがいい。
食の細い人よりも、大食漢の人と食事をしている方が楽しい。
でも、ただ食べるのが好きというのではダメで、そこになんらかのこだわりが感じられる人の方が品があっていいと思う。
人の料理を批評するだけのいわゆるグルメと呼ばれる人ではなく、自分でも料理を作って、人の作った料理を食べることで自分の作る料理に工夫を見いだすことができるような人だとおもしろい。
今期のNHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」は食べることがテーマ。
今朝は始まって2日目。
前作のあまちゃんが高視聴率だったこともあり、1回目の放送はあまちゃんを超える高視聴率だったとか。
とはいえ、早くもなんだかビミョーな感じがしてしまっている。
なぜかというと、今のところ「食べる楽しさ」というよりも「食い意地」の方が前面に出てしまっているから。
いまのところ「ごちそうさん」の主人公は人の作った料理をガツガツ食べているだけ。
今朝なんかは、いちごジャムの瓶を一人で抱え込んで家族や友人に頼まれても分けようとしなかった。
「食べることの楽しさ」よりも「食い意地が張っていて卑しい」という印象が強く残った。
卑しいと感じた理由は何なんだろう。
まだ主人公が料理をつくって楽しむような年齢ではないことが理由なのかもしれないけど。。
食べるという行為は、動物的な行為だ。
食べるだけなら誰でもできるし、そこには何も目新しいことはない。
フードポルノっていう言葉が、米国ではあるらしい。
簡単にいってしまうと、食べ物を鑑賞することで、欲求不満を解消することを野次った表現。
人間なら、他の人と楽しさを共有するとか動物的な行為に加えプラスアルファが欲しいところ。
つまり、自分が楽しむ「消費」だけでなく、他の人にも楽しみを与えることのできるような「価値」を作り出せるかどうかっていうところがポイントなのかも。
明日以降も、主人公はお父さんが作ってくれた料理を一人でムシャムシャ食べるだけなんだろうか。