【読書メモ】「学力」の経済学
筆者の主張は、「教育にエビデンスを」。
なるほどと思った点を結論だけまとめると
・教育は子どもが小さいときほど、効果が大きい
・教育は学校より、家庭が与える影響が大きい
・しつけを受けた人は年収が高い
・少人数学級は費用対効果が低い
・いい先生との出会いは、家庭の次に子どもの人生を変えるもの
・教員免許制度は、教師の質を担保しない
・研修で教師の質は良くならない
日本は倫理的な理由から、教育実験がされることは少なく、研究者がアクセスできるデータが限られているという。
筆者によると、データが開放されていれば、世界中の優秀な研究者が研究してくれるので、さまざまな政策の効果の検証に利用できる。
財政には限りがあるからこそ、実験とデータの検証をして、有効な施策にどんどん切り替えていくべきだ、というもの。
日本ではなぜか、教育という分野に関しては、まったくの素人でも自分の意見を述べたがるという現象が起きている。
主観とか経験は、本来もっとも再現性のないもの。それなのに、みんなが子どもを東大に行かせた母親の手記をありがたがったりする。
海外の方が、いろんなものを科学的に分析する手法が発達しているというのはよく聞く話だ。
なぜ日本では教育実験が行われることが少ないのか、データが開放されていないのか、意味のあるデータの活用ができないのか、一億総評論家現象が起こっているのか、そちらの裏側にわたしは興味を持った。