【読書メモ】やっぱり絶大、帯の力!/私のなかの彼女
「もしかして、別れようって言ってる?」ーーようやく彼と対等になれるはずだったのに。
単なる恋愛小説ならそれほど気にならないけれど、手に取ってしまったのは「ようやく彼と対等になれるはずだったのに」というところ。
対等になれるはずったのに、なぜ対等になれなかったんだろう?と思いながら読み進める。
主人公と同居している恋人が、家の中のことで揉めている。
「気がついたほうがやればいいと思っていたけど、気がつくのがひとりだけだったら、そっちは家政婦みたいにせこせこ家のことするしか、ないもんな」
つまりーーこんなふうに生活の役割を押し付け合うような暮らしが、長く続くはずがないと仙太郎は言いたいのだ。
これって多くの共働き夫婦が自分たちに置き換えできる、ありがちな光景だと思う。
角田光代の本は何冊かしか読んだことがないけど、どれも「家族」をテーマにしている。
この小説も、仕事と家のこと、家族との関係、男女の違いなどいろんなことが複雑に絡んでいる様子が描かれている。
誰もが共感できる部分がどこかにある。
読み出したら、一気に読んでしまう。
この作品は、第二回河合隼雄物語賞も受賞しているんだって。
作家と、作品名も大事なんだけど、手に取るかどうかは帯の力が大きいなって感じました♪
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/11/29
- メディア: 単行本
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