トークショーって難しい!!角田光代さんのイベントで
角田光代さんのトークショーに行ってきた。
小豆島土庄町の中央図書館10周年記念イベント。
数ヶ月前に、町の図書館の貼り紙を見て行きたいと思っていたのだけど、有名な作家だからすぐ整理券がなくなるかと思いきや配布開始から2週間過ぎて申し込んでもまだまだ余裕だった。
当日もガラガラなのかと思っていたら、高松だけでなく、なんと芦屋から来ていた人もいてびっくり!
わたしの関心は、何冊か読んだことのある角田光代はどんな人なのか。
八日目の蝉の舞台に小豆島を選んだことについて。
角田光代さんは、自称トークが苦手とのことで、講演会のような仕事は受けないらしい。
対談方式であれば、ということで今回のトークショーを引き受けたのだとか。
八日目の蝉は、新聞連載小説。
どうすれば読者が続けて読んでくれるかを考えた結果、主人公が逃げ続ける物語になった。
小豆島が逃亡先になったのは、担当者がちょうど二十四の瞳村の記念イベントに行ったことから。
「小豆島よかったですよ」の一言で、小豆島への取材が決まった。
かんかけタクシーの運転手さんに、島の見どころを一日案内してもらって、なんて豊かな島なんだと実感したという。
特に感銘を受けたのは、瀬戸内海に沈む夕日。
神奈川の太平洋の海とは違って静かな海。
この景色をラストシーンにすることを決めた。
小豆島を舞台にした作品をまた書く予定はないかという質問には、かなり難しいと答えた。
八日目の蝉を書く過程で、何度も追体験したので別の作品を書くとしたらまったく別のアングルが必要になる。
八日目の蝉では、主人公が「ここに住もう」と切望した島なのに、出て行きたい大嫌いな島という設定が必要。ということだった。
角田さんはおしゃべりではないけれど、小説と同じように明快な語り口だった。
気になったのは、トークショーという形式なのに会話になっていなくて、Q&A方式になってしまっていたこと。
司会者は主役の話を引き出すように采配するのが役目だし、質問者はあくまで質問者なのであって自分の話をする場所ではない。
質問者の話が長くて、角田さんの話は思っていたより聞き出せていない感じがした。
インタビュアーや司会者って、実はかなり高度な技量が必要なのに主催者はそれを認識していないのかも。
プロを連れてくれば良かったのになーと思ってしまった。
主役に気持ちよく話してもらって、また来てもいいなと思ってもらうことが大切なのじゃないかしら。
せめて、阿川佐和子さんの聞く力―心をひらく35のヒント (文春新書)でもよんでからにしてもらえば、もっとおもしろいトークショーになったのになぁ。
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