【読書メモ】もう自己啓発本はいらない?!/嫌われる勇気
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えは去年の話題の一冊らしい。
積極的に他人から嫌われたいと思う人はいないはず。特に日本人は、「嫌われる」ことをひどく恐れる人種だと思うので、このタイトルは衝撃的だったのかも。
わたしにとっての衝撃ポイントは少し違うところにあった。
すべての悩みは対人関係の悩み
たしかに。って思った。
なぜあの人といるとイライラするのか、イライラしない方法はないものかと思っていた。
怒る原因があるから怒ると、普通は思うのだけどアドラーによると違うらしい。
怒りたいから怒るのだそう。
怒ることによって、何かをしたいという目的があるからこそ怒る。たとえば、相手に言うことをきかせたいとか、自分の方が優位に立ちたいとか。
怒りをコントロールするとか、我慢するという発想は、対人関係の中で「自分が正しい」という権力争いに足を踏み入れていること。
だから「ついカッとなって」というのはありえないことになる。
対人関係の悩みを解決する方法は、自分の課題と他人の課題とを仕分けること。
馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることは出来ないから。
人の期待に沿って生きることの不自由さ、本当の自由とは何かということを考えさせてくれる。
仕分けのコツは、その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰かを考えること。
本の中では課題の仕分けができていない例として、親子のシーンが出てくる。
親が「子のためを思って」勉強しなさいと言うのは、他人の課題に介入する自己チューな発想だという。
じゃあ、たとえ親子でも人は人、自分は自分と割り切ってクールに生きることがいいと言いたいのかというとそうではないということがこの本を読むと分かる。
これまで、人生を山登りのような線としてとらえていたわたしにとってはちょっと驚きと気づきがあった。
「まだ本気出してない」的な発想をしている人にはオススメの本。
- 作者: 岸見一郎,古賀史健
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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