OkOgeのブログ

地方で楽しく生活することをテーマに日々あったことをつづります。

【読書メモ】媚びない人生

「従順な羊ではなく、野良猫になれ」

帯のフレーズに思わず手が伸びてしまった一冊。

媚びない人生

媚びない人生

著者は、現在慶応義塾大学で特任准教授を務める、韓国人のジョン・キム氏。
これから社会に出ようとする学生に対してのメッセージとして、大学で行った講義を元に本書は書かれています。

以下、気になった一節のメモ群。


・幸せの基準を設定できる人こそ、自分で幸せをコントロールできる人なのである。

・無知だと思う瞬間は、むしろ喜ばなければならない。むしろ恥じるべきは、無知への無知である。

・孤独は決して、克服すべき対象などではない。むしろ孤独こそ自分の中で一番自然な状態で、自分の人生をしっかり感じられるもの。

・他者の目を気にしない。評価を過大評価しない。
・・・実際、他者の評価を意識するようになると、他者から評価されるための言動をするようになっていく。短期的にはそれは評価につながるかもしれないが、長期的にそれは相手に合わせた自分を作ってしまうことに他ならない。それは、自分らしい人生を送りたいと考え、成長させようとしている自分には、実はネガティブなものになる。・・・自分の中にこそ、明確な基準軸を設定してあげることが大事。


・周りと同じような意見を持っているときには、安心するのではなく、むしろ危機感を覚えなさい、と。・・・群れの中ではスタンダードでも、大きな世界ではどうか。・・・視点が変わらない、刺激のない環境は、どんなに居心地の良さを感じたとしても自分の成長には決してつながらない。だから、そのときは新しい環境を求める必要がある。


・人生は一回しかない。一回しかない。ひとつの選択肢で汲々とし、その選択肢を失うことに怯えるだけの人生ではあまりに悲しい。自分の中でたくさんの選択肢を持てるよう、常に意識しておくことが大切なのである。

・やりたいことをやるためにも、やるべきことをこなす。・・目の前でやっていることから意味を見出す努力をすることだ。


・直感とは、感情と思考の結晶だ。

・過去から見た今の自分は常に成熟した自分であるように。未来から見た今の自分は常に未熟であるように。

・過去に無限なる可能性に見えたものは、未来には一つの細い線に収束していく。可能性が現実になったという意味でうれしいことではあるが、無数の可能性が消えていったという意味では寂しいことでもある。青春時代には無数の可能性が存在する。だからこそ、青春は美しいのだ。

・今この瞬間を最後だと思い、燃え尽きるように生きること。そして最後は自分に残されたすべての夢も欲も愛も使い尽くし、何も残されていない絶望の中で死ぬ。それこそが美しい人生であると私は思う。

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最後の「今この瞬間を最後だと思い~」のくだりは、セネカの「いかに永く生きたかではなく、いかによく生きたか、それが問題だ」を思い出しました。

これが大学で実際に行われているとすれば、かなり熱い授業ですね。
大学の先生だから、こんなことが純粋に言えるのかな~と思う面もあって、見方によっては青いかもしれませんが、いくつになっても、変な意味で人生を諦めていない姿勢が個人的には好きです。

ただ、まだ社会に出ていない学生がこの授業を聞いて、どれくらい理解できるのかは疑問です。
卒業して何年もしてから先生の言葉を思い出すとき、この授業の本領が発揮されるのかもしれません。